2022.06.01 2023.04.25更新 社内報制作の基礎
社内報の企画に欠かせない日々の情報収集。広範な情報と深掘りした情報、2つのパターンで集めましょう。
業界、国内、世界の動きを常に意識。発行時に社員の関心や会社の動く方向(的=ターゲット)を見据えて企画を放ちましょう。
企画に必要な情報は、あらゆる場所に転がっています。とはいえ、やみくもに集めるだけでは内容の充実した「使える」企画に育ちません。社内報の場合、現場での情報収集は、情報の鮮度・価値が高く最も重要です。同時に、自分なりのアンテナを高く張り、毎日、世の中の情報を丁寧に集めていると、自社の姿を客観視できるようになります。
情報を集める一つのコツが「広く×深く」。自社を取り巻く業界はもちろん、国内、海外の基本的な動きを押さえておくのが「広く」です。一般的には、テレビのニュース、新聞やビジネス誌、(大衆向けの)ネットサイトの記事から情報を集めるのが「広く」に該当します。
一方、自社の業界の中からさらに絞った専門的な分野や、自分の趣味・関心事を軸に、ニッチな分野を追い掛けるのが「深く」。「広く」と「深く」、この2つを掛け合わせると、客観的で説得力の高い企画が実現できます。
自社を業界の常識のみで捉えていると、画一的な発想に固まりがち。自社や業界外の空気も冊子に吹き込めるよう、情報集めでも客観的な視点を磨いてください。
まずは、自社が属する業界、日本や世界の基本的な動きをフォロー!
企画力を高めるには、新聞やインターネット、業界誌などによる、日々の幅広い情報収集が欠かせません。特に自社の業界情報は、いくつかのテーマを定点観測するのがオススメです。世界の動きが密に連携している昨今は、海外のニュースも無視できません。世界・日本で起きている事象のうねりや、時系列を押さえた企画だと、説得力がより高まります。
また自社の業界だけでなく、社会や世の中的に重要となっている出来事やキーワードにも意識を広げてみましょう。例えば、SDGsやESG、ダイバーシティ、グリーンエネルギー、カーボンニュートラル、DX、AI、ブロックチェーンなど……世の中の動きや注目されている取り組みが自社や自社の業界とどのようにかかわっているのか。あるいは、これから先どうかかわってくるのか。常に最新の情報を幅広く集めることを心がけると、社内報の企画に役立つはずです。
興味あるテーマから一歩先を予測。仮説&検証の繰り返しで企画力は高まります。
スポーツ、音楽、話題となったイベントなど、自分の趣味から会社の動きや社員の関心事を予測することも可能です。例えば、サッカー。急激に実力を伸ばしている国・地域は、経済面でも同様のケースがあります。あなたの会社でも、そうした国・地域との取引が増えて、社員の関心が高まっているかも。またスポーツ好きであれば、ワールドカップやオリンピックが開催される時期に社内報の企画の切り口とすることで、旬でキャッチーながらも最新の世界情勢を踏まえた企画にすることができるかもしれません。得意分野から仮説&検証を行うことは、企画力アップの良いトレーニングになります。
何かを感じたら即座にメモ!いつでも、どこへでもアイデアを残せるようにしましょう。
何かを見たり聞いたりしてアイデアが浮かんだとき、サッとメモしておくための1冊。キーワードや箇条書き、ラフスケッチのみでOKです。アイデアがたまってきたら、似たテーマ同士をグループ化。共通の切り口を探れば厚みのある企画が立てられます。今すぐ使えないアイデアは寝かせておけば大丈夫。世の中や社内の関心が高まってきたときに活用しましょう。
また、紙のメモだけでなく、スマートフォンやパソコンを活用するのも効果的です。現在はデジタルノート・メモツールも数多く出ています。特にスマートフォンは肌身離さず持ち歩く人も多いはず。デジタルでのメモにも慣れておくと、より効率的に企画のアイデアやネタを残せるようになります。テキストデータはコピー&ペーストで編集もしやすいので、テーマのグループ化や掛け合わせ作業も紙のアイデア帳・企画メモとは違った使いやすさがあるはずです。紙とデジタル両方の特性をうまく活用して、企画・アイデアをストックすることを心がけましょう。
ちょっとした会話が、企画のつくり込みには不可欠。たくさんの気付きが得られます。
アイデアがぼんやり見え始めたら、近くの席の人や隣の部署の人、企画のターゲットとなる社員(読者)に話してみましょう。「へぇ。それ面白いね」とか、「それって、どういうこと?」など、率直な感想や素朴な疑問が返ってくるはずです。自分自身で理解できていなかった点が見つかれば、むしろラッキー。こうした点をクリアすれば、企画はさらにブラッシュアップされていきます。
働き方の多様化が進む昨今は、対面で雑談をする機会が減ってきているという声もよく聞きます。Web・オンラインの会議ツールを活用して、5~10分だけでも誰かと話す機会を作ったり、チャットツールでちょっと相談したりするなど、コミュニケーションを取る機会を積極的に増やすようにしましょう。
社内報の読者・ターゲットとなる社員の声は、もっとも社内報の企画や改善に役立つものと言っても過言ではありません。また、コラム「読まれる社内報企画は社員への想像力から生まれる」でもご紹介している通り、社員が社内報を読んで、どんな気持ちになり、どんな行動を起こすのか想像することが社内報の企画の出発点となります。普段のちょっとした会話や雑談は、こうしたイメージや想像を膨らませるきっかけにもなります。
あなたの会社と世界の動きはつながっています。毎日コツコツ、広くて深い情報集めをしておくことが社内報づくりにきっと生かされます。